起立性調節障害
お子さまの「起立性調節障害」でお悩みの方へ
ここ数年、「起立性調節障害」と診断されるお子さんが急激に増えています。
多くの方が、数ヶ月から数年にわたり症状が改善されず、解決策が見つからず、悩んでおられます。
学校に通学できなくなる方も少なくありません。
生活に支障をきたし、遊びや勉強が出来なくなることは、成長期の子どもにとって大きな痛手となります。
現代の社会では、的外れな治療により、症状を長引かせたり、悪化させたりするケースが非常に多いと感じています。
根拠のない投薬は、お子様の後々の人生に大きく影響を及ぼし、将来を大きく左右する恐れがあります。
その根底には、起立性調節障害の原因が不明とされることがあります。
このページでは、起立性調節障害について、当院の見解をお伝えしております。
解決の糸口になれば幸いです。
起立性調節障害って、どんな症状?
起立性調節障害は、成長期から思春期のお子さまに多い疾患です。症状としては、以下のようなものがあります。
・立ちくらみや、めまいがする
・寝つきが悪く、眠りが浅い
・朝の目覚めが悪い、起きれない
・朝から体がだるい、やる気が出ない
・冷え性気味
・慢性的に頭痛がある
・肩や首のコリや痛みがある
・食欲がない
・動悸がしたり、息苦しさを感じる
このような症状を訴えるお子さんが多いです。
また、ほとんどの場合、ひとつではなく、複数の症状を併発しています。
学校を遅刻したり、早退することが増えていきます。
長期間、学校を休む子どもも少なくありません。
親御さんは、心配になって病院へ連れていきますが、いくら検査をしても、異常が見つからない場合が多く、結果的に「起立性調節障害」という診断名をつけられるようです。
医療機関での治療
病院での対応は、主に薬物処方です。
処方される薬は、昇圧剤などの、血液の循環を良くするものが多いようです。
・塩酸ミドドリン(メトリジン、メトリジンD錠など)
・プロプラノロール(インデラルなど)
・メシル酸ジヒドロエルゴタミン(ジヒデルゴットなど)
・メチル硫酸アメジニウム(リズミックなど)
引用元:起立性調節障害ガイド http://kiritu.chagasi.com/
薬で改善効果が顕れない場合は「精神的な原因」とされ、心療内科の案内をされることも多いようです。
薬の服用には、必ず副作用が伴います。
医療機関で、どれくらいで良くなるのか、副作用はあるのか、将来的に危険性はないのか、等をしっかり聞いてください。
また、インターネットでも調べることができます。
お子さんに服用させる前に、お父さんお母さんが、どんな作用をもたらすのかを、出来る限り調べていただくことが大切かと思います。
【医療用医薬品 情報検索】
http://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuSearch/
薬の役割にについて
薬は、身体を治してくれるわけではありません。
症状を「抑える」ものです。
「治す」のではなく、「抑える」です。
症状という、「結果」に対して変化をさせますが、「原因」は何も変わらないままなのです。
火事に例えてみると、分かりやすいと思います。
火事が起こると、火事の発生をお知らせする、「警報機」が鳴ります。
うるさいからと、警報機を止めても、火事はおさまりません。
「症状」とは、身体の「警報器」です。
薬は、その「警報器」を止めてしまうことです。
症状(警報器)を止めても、原因(火事)はそのままになったままです。
放っておくと、どんどん燃え広がり、気付いた時には手遅れ・・・。
わたしたち人間の身体も、それと一緒です。
原因がそのままだと、ずっと薬を服用し続けなければならなくなります。
そして、多くの場合、副作用が伴い、症状は悪化します。
薬が効かなくなったり、別の症状が出てきたりして、たくさんの薬が必要になってしまいます。
辛い症状をなんとかしてあげたい、というお気持ちはよくわかります。
しかし、薬の服用が後々お子さまに大きな影響を与える可能性が少なくありません。
症状を治すためには、症状が出た「原因」を断つことが必要です。
「起立性調節障害」の原因について
起立性調節障害は、主に自律神経の乱れと血液の循環不良によって引き起こります。
自律神経の乱れ
自律神経は、身体の状態を正常に保つための機能です。
心臓の拍動、胃腸の消化活動、体温管理、睡眠などを調整しています。
自律神経には、交感神経と副交感神経あり、お互いがバランスよく切り替わり、それぞれが正常に働くことで、健康な状態が維持されています。
バランスが崩れて悪くなると、身体が正常に機能しなくなります。
心臓や、胃腸や肝臓などの内臓がきちんと働かないと、動悸や吐き気、食欲不振など、様々な症状が出ます。
睡眠に支障をきたすため、この夜に眠れなかったり、朝が起きれなくなるので、身体が回復できずに、疲労感や倦怠感が抜けなくなります。
詳しくは「自律神経失調症」のページをご覧下さい。
血液の循環不良
血液の循環は、自律神経と同様に、生命維持活動の重要な仕組みです。
血液の循環が悪くなると、体中に酸素と栄養が送り届けられません。
また毒素や老廃物を回収されなくなります。
疲労感、低血圧、ふらつき、冷え性などの原因となります。
「自律神経の乱れ」と「血液の循環不良」の原因
なぜ、自律神経のバランスが乱れたり、血液の循環が悪くなるのでしょうか。
その原因は、筋肉が緊張した状態が持続することです。
筋肉が緊張すると、神経を圧迫して、神経の通りを妨げます。
その為、脳からの命令が伝達されず、自律神経が正常に働かなくなります。
筋肉が緊張すると、血管を圧迫して、血流を妨げます。
その為、血液の循環不良となります。
日常生活において、筋肉は緊張と弛緩(ゆるむこと)を繰り返しており、
筋肉が緊張することは、身体にとって自然なことです。
しかし、筋肉が継続的に緊張することは、身体にとって異常事態です。
このような状態が続けば、身体は悪くなってしまいます。
特に首や肩周辺には、脳と全身を繋ぐ、大切な神経や血管が、密に詰まっています。
筋肉の圧迫が、さまざまな症状を引き起こす要因となります。
首や肩のコリは、起立性調節障害のお子さんたちに共通していることの一つです(もちろん全員ではありません)。
参考までに「肩こり」のページも、合わせてご覧下さい。
当院の取り組みについて
起立性調節障害に対して“何をどう”するのか。
以下の取り組みをしています。
当院では、「自律神経整体」という独自の整体法で、筋肉の緊張を解いていき、できる限り自然な状態に近づけます。
自然な状態に近づけるとは、言い換えると、治る状態に導くということです。
そうすると、神経伝達や血液循環が正常な状態に整っていきます。
これは「整えている」のではなく、筋肉の緊張を解く事で「整う」のです。
そうすることで、その後は、徐々に、お子さん自身がもつ自然治癒力で、治癒に向かっていきます。
当院の目的は、お子さんの力を最大限に発揮し、自らが変わっていけるように、きっかけを与ることです。
それが本来の力を取り戻す、ということであり、当院で最も大切にしていることの一つです。
その為、当院では、治療はいたしません。
症状を治したり、痛みを取ったりすることはしません。
治療が必要な場合は、医療機関をお訪ねください。
当院で行っていることは、以下の2つです。
・整体施術
・アドバイス
整体施術について
当院では、独自の「自律神経整体」で対応いたします。
完全無痛で、身体を自然な状態に戻すことを目的としています。
緊張した筋肉を、バランスの良い状態にしていきます。
バランスの良い状態とは、緊張もでき、ゆるむこともできること。
周囲の環境や刺激に応じて、身体が自在に変化できる状態になることです。
施術によって、強制的に筋肉をゆるめることはしません。
あくまでも、ゆるむきっかけを与えるだけです。
強制的にゆるめられた筋肉は、すぐに元に戻ります。
それだけではなく、より緊張した状態へと悪化します。
一般的なマッサージではその効果が短く、回数を重ねるごとに刺激が物足りなくなっていくことは、その為です。
大切なことは、身体が自然にゆるむことです。
身体が、自然にゆるむように、導いていくことです。
アドバイスについて
当院では、日常生活上で、どんなことに氣をつけたらよいのか、何をすればいいのか、等のアドバイスをさせていただきます。
症状は、原因が招いた結果です。
多くの場合、筋肉の緊張が、さまざまな症状の原因になっています。
症状を解決させるには、その要因を断っていくことが必要です。
今までと同じ生活をしていたら、良くなっても、また再発してしまうからです。
なので、当院では、整体施術以上にアドバイスを重視しています。
具体的には、姿勢や食生活をなどの生活習慣についてです。
施術を受けるだけでは、根本的に解決するには至りません。
お子さんご自身で、取り組んでいただくことが、とても大切です。
どれくらいでよくなるのか?
どれくらいの期間と回数で良くなるのかは、正直なところ何とも申し上げることができません。
身体の反応は人によって様々です。
生活習慣改善の取り組み方は個人差があります。
性格も違います。
これらの理由から、
2〜3週間、数回の施術で良くなるお子さんもいれば、数ヶ月、20〜30回必要なお子さんもいます。
当院の臨床上、3〜4ヶ月みていただけると、必ず変化が出てきます。
まずは、3ヶ月/10回を目安にしていただければと思います。
注意点としては、5~6回目くらいまでは、あまり変化が見られないもあります。
しかし、表面的に変化がわからずとも、必ず身体は変化しています。
変化は、目に見えない部分から始まります。
焦らず取り組むこと。決して諦めない気持ちが大切です。
お父さん、お母さんにお願いしたいこと
成長期をどう過ごすかは、人生においてとても重要です。
成長期の自律神経は発達途上にあり、この時期にさまざまな変調が起こりやすいのは、そのためであると考えられます。
この時期に、しっかりと自律神経の仕組みを養っておかないと、大人になってから、深刻な不調に悩まされ続けることになります。
現代では、大切な身体の機能の発達を阻害してしまう、様々な要因がありますので、親御さんに氣をつけていただきたいことを、お伝えしておきます。
1)不必要な服薬はしない
医療機関では、原因がわからずとも、薬を処方される場合がとても多いです。
同じような成分の薬を何種類も、処方されていることも多々あります。
お薬は必ず副作用があります。
そして交感神経を刺激し、自律神経を乱します。
また、成長途上のお子さまにとって、非常に有害なものも少なくありません(特に精神安定剤や睡眠導入剤などの向精神薬)。
薬を処方されたら、以下のことを医師に尋ねてみてください。
・なぜお薬を飲まねばならないのか?
・どれくらい飲めば良くなるのか?
・副作用はないのか?
もし、きちんと説明してくれなかったら、その医師は信用しない方が無難です。
2)食べものに気を付ける
身体は摂取したものから出来ています。
毎日の食事が健康を維持する上で、とても重要です。
コンビニで売っているお弁当やおにぎりなどの加工食品や、スナック菓子や甘いものは、多量の添加物が入っています。
食材自体の安全性も疑問ですので、極力避けましょう。
食事は、お母さんの愛情がこもった手料理が一番だと私は思います。
3)電子機器の使用時間を減らす
目には見えませんが、携帯電話(スマートフォン)、ゲーム機器、パソコンなどは、強い電磁波が出ています。
健康に大きな影響を及ぼすことがわかっていますので、過度な利用は避けましょう。
特に、寝床へ入ってからゲームやスマホを利用することは危険ですので、すぐに止めましょう。
4)適度な運動をする
最近は、ゲーム機器や携帯電話が普及したこともあり、身体を動かして遊ぶ機会が、極端に少なくなっています。
筋肉は、血液やリンパ液を循環させるポンプの役割をします。
筋肉を使わないと、循環が滞ります。
また、バランスが悪くなり、必要な時に正常に動かなくなるので、自律神経が乱れる原因となります。
人間の身体は、動くことで、いい状態を維持するように設計されています。
まずは散歩からでもよいので、外へ出て身体を動かす習慣をつけましょう。
5)姿勢に注意する
現代の子どもたちは、とても姿勢が悪いです。
屋内で遊ぶことが多くなったことや、運動不足などの影響しています。
学校でも、姿勢の指導はほとんどしないと思われます。
姿勢が悪いと、特定の筋肉に負担がかかり、緊張します。
また、呼吸が浅くなったり、内臓を圧迫させてしまいます。
これらは全て、自律神経の乱れに繋がります。
日頃から、よい姿勢を心がけるようにしましょう。
5)朝日を浴びる
体内時計を働かせることは、自律神経を構築する上でとても重要です。
朝日を浴びる事で、狂った体内時計をリセットすることができます。
最初は辛いかもしれません。
その後寝てしまってもかまいませんので、一度起きて、朝日を浴びることがとても重要です。
お日さまの力は偉大です。
体内時計をリセットする以外にも、様々な恩恵をもたらしてくれます。
是非取り組んでみてください。
6)お子さんとの関わり方を見直す
最後になりますが、実はこれが一番重要です。
お子さんの症状には、必ず家庭環境やお父さんお母さんとの関わり方が影響します。
親が過干渉であったり、逆に無関心であったりと、極端な関わり方をしていないか、注意してみることが必要です。
お子さんといえど、人格をもった一人の人間です。
お子さんを最大限に尊重してあげて、愛情をもって接触や対話を心がけていただきたく思います。
健康な状態に戻すために
起立性調節障害の原因は、自律神経の乱れや、血液の循環不良によるものです。
健康な状態に戻すためには、身体の機能を正常化させるという視点と、原因を断つ取り組みが必要です。
薬で症状を抑えるだけでは、何の解決にも至りません。
特に、成長期にあるお子さんへの過剰な投薬は、将来に深刻な影響が生じかねません。
的外れな治療や、根拠のない投薬は、症状を長引かせ、悪化させます。
生活に支障をきたし、遊びや勉強が出来なくなることは成長期の子どもにとって大きな痛手です。
また、子どもに「自分は病気である」という意識を、深く根付かせてしまうと、後々の人生に、大きな影響を及ぼすことになります。
子どもにとっては、親の判断が全てです。
症状に対して、どのようなアプローチをしていくのか?
子どもの将来は、親の判断によって、大きく左右されます。
ぜひとも、正しい取り組みをされるよう、よろしくお願いいたします。
ここまでお読みいただきまして、ありがとうございます。
少しでも参考になりましたら幸いです。